至高のコーラスワーク The Free Design

ソフト・ロックのアーティスト

The Free Designはその卓越したコーラス・ワークで今も根強いファンを持つグループ。1967年にChris,Sandy,Bruce兄妹によって結成。後に次女のEllen,三女のStefanieが加入。1972年の解散までに7枚のアルバムを発表しました。(下記Discography参照されたし。)近年、usenでもソフトロックを流すチャンネルがありドトールや松屋で彼らの歌声を聴いたことがあるかもしれません。

商業的には成功しなかったものの彼らを世に送り出したProject3は弱小レーベルながらかなり積極的にTV局、ラジオ局に彼らの売込みを図り”The Mike Douglas Show”, “The Merv Griffin Show”, “The Upbeat Show”, “The Arthur Godfrey Show”といった全米の人気番組に出演を果たし、彼らの曲はラジオでも全米、ローカルを問わずかなりオンエアされそれなりに爪痕を残していたようです。(Cash Box誌1970.5.16の記事より)

日本では90年代のソフト・ロックブームで再評価されたそうです。私自身がこのグループを知ったのは98年にスペインのシエスタレーベルからリリースされた編集盤(10インチ2枚組)を手に入れた時なので今から20数年前のこと。編集盤から入るあたりがシロウトたる所以ですね。海外にいた時期なので日本でソフト・ロックブームがあったとは全く知りませんでしたが初めてレコードに針を落とした時、鳥肌が立ったのを覚えています。

このグループのことを何も知らずにジャケ買いしたシエスタレーベルの編集盤。シエスタからはこれの他にあと2組の編集盤が出されていますが、カラーヴァイナルのため曲と曲の切れ目がわかりにくいのが難点。

惜しくも2010年に癌により逝去したChrisが音楽学校で学んだ和声学を駆使したコーラスワークは「崩壊一歩手前の均衡」とも言える独特のもの。中には複雑過ぎてどうもしっくりしない作品もありますが、私の一番好きなソフトロックのグループのひとつであることは間違いないです。

YouTubeではThe Mike Douglas Showに出演時の彼らの姿を観ることができます。ここで演奏される”My Brother Woody”は、1stアルバム”Kites Are Fun”に収録されている隠れた名曲。2022年に芽瑠璃堂からリリースされた小西康陽選曲・監修「レディメイド 未来の音楽シリーズ 7インチ編 セカンドシーズン」07のフリップサイドにも収録されています。
美しいハーモニーとベース、ドラムのアレンジをお楽しみください。


現在、SpotifyではThe Free Designの全アルバムを聴くことができます。

The Free Design
Artist · 68.2K monthly listeners.

またCD,アナログ盤ともリイシューされており比較的入手しやすいかと思います。

[Discography]
オリジナルアルバム
Kites Are Fun (1967)
You Could Be Born Again (1968)
Heaven/Earth (1969)
Stars/Time/Bubbles/Love (1970)
…Sing for Very Important People (1970)
One By One (1971)
There Is a Song (1972)

シングル(Rroject3によるプロモ盤を含む米国オリジナル)
Kites Are Fun / The Proper Ornaments (1967) PR 45-1324  
You Could Be Born Again / A Leaf Has Veins(1968) PR45-1350-SD
You Be You And I’ll Be Me / Never Tell The World(1968) PR 45-1331
I Found Love / Umbrellas(1968) PR45-1336
Close Your Mouth (It’s Christmas) / Christmas Is The Day(1968) PR45-1347-M
Eleanor Rigby/Make The Madness Stop (1968) PR45-1345-SD*
Now Is The Time /If I Were A Carpenter(1969) PR45-1360*
Dorian Benediction / Summertime(1969) PR45-1358-SD*
Butterflies Are Free / Butterflies Are Free (1969) PR45-1370-SD
2002 – A Hit Song / Hurry Sundown (1969) PR45-1366*
Where Do I Go / Girls Alone (1969) PR45-1356-SD*
Bubbles / I’m A Yogi (1970) PR45-1375-SD
Tomorrow Is The First Day Of The Rest Of My Life / Kije’s Ouija (1970) PR 45-1383
Don’t Cry, Baby / Time And Love (1970) PR 45-1387 SD
Felt So Good / Felt So Good / You Are My Sunshine (1971)  PR45-1393SD
A Friendly Man / Stay Off Of Your Frown (1971) PR45-1404*
Friends (Thank You All) / Going Back (1972)  PR45-1415*
末尾に*印を付けたものはプロモ盤のみと思われます。Project3が如何にラジオ局への売り込みに熱心だったかが分かりますね。以上に加えてProject3からEllen Dedrick名義で1枚のプロモ盤が出されています。
Nature Boy / Settlement Boy (1969) PR45-1362-SD-A, PR45-1362-SD-B

CDであればアマゾンからもお求めになれます。

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今でも多くの人に愛されているThe Free Design。お気に入りの1曲をあげるのはなかなか難しいですが私は5thアルバム”…Sing for Very Important People ”に収録の”Ronda Go ‘Round”がお気に入りです。みなさんのお気に入りの曲は何ですか?それではまた。

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